名古屋市熱田区、日比野の たけむら耳鼻科
(耳鼻いんこう科,アレルギー科,小児耳鼻いんこう科)

たけむら耳鼻科
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日帰り手術について

①鼻の手術について

鼻・副鼻腔の手術は一般的には入院しておこなわれる手術ですが、当院では日帰り手術が可能になっています。日帰り手術といっても普通と違う術式で行うわけではなく、私が大学病院や市民病院勤務の時に行っていた術式と同じことを行います。

現在ではその頃に行っていた術式よりもより低侵襲で短時間の手術を行っています。入院して安静にするのと同様、術後は帰宅してからも2日ほどは安静が必要ですが、平均3~4日で社会復帰されています。

手術ですので痛みや出血、合併症などが心配されると思いますが、局所麻酔の工夫、鎮静剤の使用などで痛みが少なく、行うことが可能です。手術が必要な方には詳しく説明をさせていただいています。また、局所麻酔下の手術が困難と考えられる病変かどうかの判断をさせていただきます。

鼻中隔矯正術

「鼻中隔弯曲症」に対する手術です。
鼻内を左右に分けている真ん中にある板状の構造を鼻中隔といいます。幼少期から顔面が発育する際に徐々にゆがみが生じてしまう方がいらっしゃいます(鼻中隔湾曲症)。そうすると鼻内が狭くなり、鼻呼吸がしづらくなります。アレルギー性鼻炎を合併すると、高度な鼻づまりとなります。形態異常ですので内服治療では改善されない場合、手術が適用になります。

<手術方法>
片方の鼻内から鼻中隔粘膜に切開を加え、軟骨と粘膜を剥離して鼻中隔を3層構造にします。必要の部位のみ軟骨もしくは骨を除去して矯正します。鼻中隔軟骨のフレーム(枠)はさわらないので外見上に変化はきたしません。下鼻甲介の手術も併せて行われることが多いです。

下甲介手術

鼻内にはフィルター機能を有する下鼻甲介という粘膜があります。重症のアレルギー性鼻炎や、形的に肥厚の強い方は、この下鼻甲介粘膜が腫脹することで鼻がつまります。内服や点鼻薬で鼻づまりが改善しない場合はこの下鼻甲介粘膜をターゲットとした外科手術が適用となります。

①下鼻甲介粘膜焼灼術
一般的にはレーザー治療といわれているものがこれにあたります。下鼻甲介粘膜を麻酔したあとに、粘膜を焼きます。術後に粘膜が変性をおこし、扁平上皮化生することで簡単にいえばバリアができ、アレルギー反応がおきにくくなります。また、粘膜が固くなることで鼻づまりをおこしにくくなります。個人差はありますが、通常は2~3年間はこの変性が持続します。私はアレルギー性鼻炎に対し、レーザー照射による治療を行ってきました。比較的侵襲が少なく、処置ができるお子さまでしたら7~8歳ぐらいから可能です。

②粘膜下下鼻甲介骨切除術
下鼻甲介粘膜の肥厚が強い患者さんに対しては、下鼻甲介の骨を除去することでフィルター機能の粘膜を維持したまま、下鼻甲介のボリュームを減少させて鼻腔形態を広げます。

内視鏡下副鼻腔手術

顔面の骨の中に、鼻腔と連続している空間があり、副鼻腔と呼びます。副鼻腔には上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞といった複数の空間があり、3カ月以上炎症が持続する状態を慢性副鼻腔炎と呼び、鼻づまり、鼻汁、後鼻漏、咳、頭痛などの原因となります。内服治療で軽快しない場合は手術が選択されます。副鼻腔は解剖学的なバリエーションが多いためにCTによる詳細な病変の読影と、手術のプランニングが必要となります。 手術は内視鏡を使用して鼻内で行います。また特殊な手術器具を用いて鼻内にポリープがあれば除去し、鼻内と副鼻腔の交通路を拡大します。当院では新しいの機器を導入して副鼻腔の手術を行っています。鼻腔と副鼻腔に交通路がつくことで、副鼻腔内の自浄作用が改善し、炎症が沈静化していきます。しかし体質が関係する副鼻腔炎の場合(好酸球性炎症)は頻繁にポリープの再発をきたしますので、その場合は手術単独で治療が終わるわけではなく、内服薬の併用が必要になります。

「慢性副鼻腔炎」について
慢性副鼻腔炎とは、副鼻腔に慢性的な炎症をきたす疾患をいいます。鼻づまり、鼻汁、後鼻漏、嗅覚障害、咳、痰、頭痛など様々な症状を引き起こします。3カ月ほど薬を服用して治療をしますが、治らない場合は手術が適用となります。また、体質的に鼻内にポリープができ、嗅覚障害をひきおこす好酸球性副鼻腔炎という疾患もあり、鑑別が必要です。

②耳の手術について

鼓膜形成術、鼓室形成術を行っています。当院では、局所麻酔下に外耳道から内視鏡で耳内、中耳内を見ながら手術を行うことができ、日帰りで手術が可能です。
内視鏡で行うことにより、耳介の前や後ろの皮膚を切って、外耳道粘膜を骨から剥がすことが少ないため、手術侵襲も少なく、術後の治りも早くなります。

鼓膜形成術

鼓膜に穴があいていることで聴力が悪かったり、繰り返してみみだれ(耳漏)がでたりする方は手術適用となります。手術適用かどうかは、診察、検査(人工鼓膜で穴をふさいで聴力アップの確認をします。)にて判断いたします。

<手術方法>
耳の中に局所麻酔をすることで、鎮痛を得ることができます。鼓膜の穴を一度きれいな穴にし(穿孔縁の新鮮化)、耳の後ろから採取した組織(結合識もしくは軟骨膜つき耳介軟骨)を穴にはめ込んで接着させます。耳の後ろの傷は抜糸しなくていいように解ける糸で丁寧に縫合いたします。手術2日後からごしごしするのはやめていただきたいですが、お風呂も入れます。

鼓室形成術

真珠腫性中耳炎、鼓室硬化症を伴う慢性中耳炎する方は手術適用となります。真珠腫性中耳炎とは中耳内に入り込んだ耳垢がアコヤガイの真珠のように生体反応で真珠が形成され真珠腫という中耳側頭骨や耳小骨を溶かすできものです。ひどいときは三半規管、頭蓋底に穴を開け、めまいや髄膜炎の原因となります。もう一つの鼓室硬化症を伴う慢性中耳炎は中耳炎を繰り返すことにより、鼓膜や中耳内に石灰化(骨化の様に硬くなります。)が起こることにより、鼓膜や耳小骨の動きが悪く、音の伝えが悪くなることで難聴を引き起こします。手術適用かどうかは、診察、検査(CT、聴力検査、耳小骨筋反射検査も必要になります。)にて判断いたします。

<手術方法>
耳の中に局所麻酔を行い、痛みなく手術可能です。当院では内視鏡を用いて外耳道からの操作を行う手術ができます。内視鏡でできない症例もあり、その場合は従来の顕微鏡手術を行います。耳介の皮膚切開を行い、外耳道皮膚を骨からはがし、鼓膜をめくって中耳内の操作を行います。中耳内には、聴力に関係する耳小骨や内耳、めまいの三半規管、前庭、顔を動かす顔面神経、味覚を感じる鼓索神経が走っており、うすい骨の上には脳があります。その中耳内を操作し、耳小骨を動きやすくしたり、人工耳小骨を使ったり耳小骨の形を変えて音の伝わりを作り直します。耳のまわりの傷は抜糸しなくていいように丁寧に縫合いたします。手術の切開範囲によりますが、内視鏡手術では術後2日目からお風呂も入れます。切開の範囲の多い顕微鏡手術では傷の状態を見ながら、入浴開始の時期を検討します。

手術と術後の流れ

鼻の手術について

手術約1カ月前:手術前の検査(採血、胸部レントゲン)。
手術約1、2週間前:手術に関する注意事項や手術の方法、術後の経過、合併症などの説明。持病がある場合や検査で異常がある場合は、かかりつけ医と連携が必要です。

手術前後の流れ

・手術1ヶ月半~2ヶ月前:手術前の検査(採血、胸部レントゲン、心電図、鼻腔通気度検査等)、必要があれば鼻副鼻腔CTを撮ります。

・検査約1週間後:鼻内を内視鏡で見ながら手術に関する注意事項や手術の方法、術後の経過、合併症などの説明。持病がある場合や検査で異常がある場合は、かかりつけ医と連携が必要です。

・手術当日(水曜日):午前11時40分に来院していただきます。
着替えや点滴を行った後、手術を開始します。術後は安静にし、手術狩猟後1~2時間後に状態を確認して帰宅していただきます。
安定剤の影響、出血の可能性があるため、ご自身での車の運転ができません。ご家族の運転かタクシーでの帰宅をお願いします。

・術後1日(木曜日):自宅安静をお願いします。

・術後2日(金曜日):午前9時に来院してください。(扉が開くのが8時45分です。)
点滴、採血を行い、鼻内のガーゼを抜きます。止血を確認して帰宅になりますので、3時間位時間を要します。
出血の可能性があるためご自身での車の運転はやめていただくようにお願いしています。

・術後3日(土曜日):金曜日の状態により判断して受診していただきます。

・術後4日(日曜日):安静にしてください。

・術後5~6日(月、火曜日):処置に時間が要することがありますので、診察収容1時間前までの受診をお願いします。

以降、週1回の受診が必要です。
入院の代わりの自宅安静になるので、水曜日から翌週月曜日までは学校、お仕事はお休みをお願いします。

術後1週間は激しい運動、飲酒、入浴・サウナ等、出血の危険があることは避けて下さい。
術後1ヶ月以内の飛行機での旅行はおやめください。

1ヶ月後以降。1~2週に1回受診となり、状態を見て良ければ受診間隔を広げます。
主だった副作用がない場合は、以上のような経過となりますが、状態によっては頻回の受診が必要になることがあります。

区分 手術名 3割負担 1割負担 備考
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術I型 19,860円 6,620円 鼻中隔手術
K347-8 内視鏡下鼻中隔手術Ⅲ型 89,040円 29,680円 前彎矯正術
K347-5 内視鏡下鼻腔手術I型【片側】 23,820円 7,940円 下鼻甲介手術
内視鏡下鼻腔手術I型【両側】 47,640円 15,880円
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術【片側】 91,380円 30,460円 後鼻神経切断術
経鼻腔的翼突管神経切除術【両側】 182,760円 60,920円
K340-3 内視鏡下鼻・副鼻腔手術I型【片側】 10,800円 3600円 ポリープ切除のみ
内視鏡下鼻・副鼻腔手術I型【両側】 21,600円 7,200円
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術II型【両側】 36,000円 12,000円 副鼻腔1つを開放
内視鏡下鼻・副鼻腔手術II型【片側】 72,000円 24,000円
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型【片側】 74,730円 24,910円 副鼻腔2つを開放
内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型【両側】 149,460円 49,820円
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型【片側】 96,240円 32,080円 副鼻腔全てを開放
内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型【両側】 192,480円 64,160円
副鼻腔の手術では、画像等手術支援加算「1」20,000円、副鼻腔手術骨軟部組織切除機器加算10,000円が追加されます。

※令和6年6月に新設された保険点数です。
※上記金額は手術代金のみであり、診察料、処方料、使用薬剤等が加算されます。
※手術前に高額療養費のお手続きをしていただくことで手術当日の窓口負担が自己負担限度額までとなります。

耳の手術について

鼓膜形成術、鼓室形成術を行っています。当院では、局所麻酔下に外耳道から内視鏡で耳内、中耳内を見ながら手術を行うことができ、日帰りで手術が可能です。
内視鏡で行うことにより、耳介の前や後ろの皮膚を切って、外耳道粘膜を骨から剥がすことが少ないため、手術侵襲も少なく、術後の治りも早くなります。

手術前後の流れ

・手術1ヶ月半~2ヶ月前:手術前の検査(採血、胸部レントゲン、心電図、聴力検査等)、必要があれば中耳CTを撮ります。

・検査約1週間後:手術に関する注意事項や手術の方法、術後の経過、合併症などの説明。持病がある場合や検査で異常がある場合は、かかりつけ医と連携が必要です。

・手術当日(水曜日):午前11時40分に来院していただきます。
着替えや点滴を行った後、手術を開始します。術後は安静にし、手術終了後1~2時間後に状態を確認して帰宅していただきます。
安定剤の影響、出血の可能性があるため、ご自身での車の運転ができません。ご家族の運転かタクシーでの帰宅をお願いします。

・術後1日(木曜日):自宅安静をお願いします。

・術後2日(金曜日):朝受診していただき、手術の傷のチェックをします。

・術後3日(土曜日):金曜日の状態により判断して受診していただきます。

・術後4日(日曜日):安静にしてください。

・術後7日~10日(水、金、土曜日):傷のチェックを行い、耳内のガーゼを抜きます。

・術後1ヶ月:状態に応じて複数回の受診が必要になります。

・術後3ヶ月、状態の観察が必要です。安定しても耳垢取りが必要な場合もあります。
入院の代わりの自宅安静になるので、水曜日から日曜日までは学校、お仕事はお休みをお願いします。

術後1ヶ月以内の気圧の変化(登山、高所、飛行機)は避けてください。
1ヶ月後以降。1~2週に1回受診となり、状態を見て良ければ受診間隔を広げます。
主だった副作用がない場合は、以上のような経過となりますが、状態によっては頻回の受診が必要になることがあります。

区分 手術名 3割負担 1割負担 備考
K318 鼓膜形成術 54,300円 18,100円
K319-1 鼓室形成術(耳小骨温存) 103,980円 34,660円
K319-2 鼓室形成術(耳小骨再建) 153,990円 51,330円
K305 乳突削開術 +73,470円 +24,490円 鼓室形成術に加算

※令和6年6月に新設された保険点数です。
※上記金額は手術代金のみであり、診察料、処方料、使用薬剤等が加算されます。
※手術前に高額療養費のお手続きをしていただくことで手術当日の窓口負担が自己負担限度額までとなります。